上り調子のデトロイト・タイガース

MLBも開幕して1か月がたった。開幕戦をデトロイト空港のバーカウンターで数十分だけ見て以来、試合を見ていない。MLBのサイトで結果と短いダイジェスト映像を見ているだけだが、開幕戦から6連敗して今シーズンはどうなることかと心配した。最近は高い確率で勝てるようになった。なにしろ、開幕からしばらくは、先発陣のヴァーランダー、ロジャース、ロバートソン、ボンダーマンがそろって打ち込まれた。新加入のウィリスはDL入りしてしまった。打つ方も、一番のグランダーソンが怪我でいない、二番のポランコが絶不調で打率一割台で一時はスタメンを外れて、三番シェフィールドもぱっとせず、4番オルドニエスも打率2割台前半、5番カブレラも2割をうろうろでは点が取れるはずがない。この状況で大活躍をしたのがインジだ。よくタイガースに残ってくれたとファンはみんな感謝していることだろう。グランダーソンが守るはずのセンター、去年までのサード、そしてロドリゲスの休養日に守るキャッチャーの三つのポジションをこなして、打つ方も、特別すごい成績ではないが及第点を与えて良い結果をここまでは残した。インジがいなかったら、チームの復調はもっと遅れたかも知れない。

なぜ開幕でつまずいたかについて、新加入の選手が揃って不調だった点に限れば、中西部の気温が低すぎたから調子が出なかったのではと思う。カブレラとウィリスはフロリダから、遊撃のレンテリーアはアトランタから来たわけで、4月初めの中西部の寒さは、去年クリーブランドで雪が降って試合が中止になったことで分かるように半端じゃない。服を着込めばそれで解決するというものではない。体で覚えてそれに順応していくしかない。三人には中西部の気候はその点で不利だったのかも知れない。それからこれも勝手な想像だが、野手でレギュラーが三人加わり(カブレラ、レンテリーア、ジョーンズ)、配置移動が二人(ギーエンとインジ)。これだけ大きく変わると、やっぱりチーム全体が落ち着かないのではと思う。さらに一番のグランダーソンもいなかった。グランダーソンはいない、他の選手もこぞって打てないという状況だったので、リーランド監督は窮余策として、毎日のように打順を組み替えた。もともとそういうチームだというのならいいが、過去二年のタイガースを見ると、打順を極力固定してきた。だから、野手全体に落ち着きがなかったのかも知れない。

今は、グランダーソンが復帰して去年のように長打を打っているし、ポランコも復帰して打率がようやく二割を超えたし、オルドニエスも三割を超えた。カブレラも調子を上げて、期待されているホームランを打ち出した。シェフィールドの打率は上がらないが、それでも去年と同様に四球をたくさん稼いでいるので、チームには最低限の貢献はしている。このように最近は本来のスタメンで戦っているわけだが、なぜかカブレラが一塁を守って、ギーエンが三塁を守っている。本来なら逆なのだが。カブレラはどこか悪いので、守備での負担を減らすために一塁を守っているという理由くらいしか思いつかない。

先発も安定してきた。ウィリスの代わりにはガララーガがつとめている。ブルペンにはロドニー、ズマイヤがいないが、ロペスやラパーダといった新しい投手が穴を埋めている。先日、シーズン最初のトレードを行った。グリーリという中継ぎをコロラドに放出して一軍枠を一つ空けて、傘下の3Aからクルセタという投手を上げた。クルセタは三振奪取率が高いということなので、終盤のピンチの場面でワンポイントとして使いたいのだろう。それに故障のズマイヤとロドニーは実戦練習を始めたらしいので、この二人が戻ってくれば、ブルペンはもっと安定するだろう。

なんだか、実際の試合を見ないで、野球のことを書くのは、あんまり面白くないけど、昨日はミネソタにぼろ負けか。また勝率5割が遠のいた。