2009-01-01から1年間の記事一覧
7時から大学で映画を見た。Full Metal Jacket (1987)という作品。キューブリック監督のヴェトナム映画だ。前半はサウス・キャロライナ州のParis Islandにある海軍訓練所の生活(Billy Joelの"Goodnight Saigon"(1982)にも歌われている)、後半はそこを卒業…
7時からは図書館で、High School(1968)という映画を見た。これはドキュメンタリー映画で、Frederick Wisemanという人の監督作品だ。フィラデルフィアの中・上流階級の生徒たちが通う公立高校の様子を撮ったものだったが、手法的には、小型カメラを肩に担い…
映画を観た。今日の映画は、Hearts and Minds (1974)。ベトナム戦争のドキュメンタリー。監督はPeter Davis。アカデミー賞を取ったらしい。手法的には、マイケル・ムーアの先輩みたいな感じの映画だった。つまり、独自映像とインタヴュー、大手メディアのニ…
午後図書館に来たら、いつもよりかなり人が多い。ははあ、そうか、今夜はフットボールの優勝決定戦スーパー・ボウルがあるからだ。なにかとまとまりのないアメリカにしては珍しく、視聴率が20%を超えるという超大イベントなのだ。だから生徒たちは、明日の…
一言でいえば、硬派の読書論。ノウハウ的な読書論の対極にあるという意味で、硬派という語を使ったのだが、読書を一つの人生修業と見立てて、自分の読書体験を語っている。著者の田中菊雄は英語学者で、「岩波英和辞典」の編者である。初版は1942年。読み始…
最近追いかけているものとして、一昔前の知的生産術の本がある。個人の所有物としてのコンピューターが普及する前の時代に、研究者たちによって書かれた知的生産の方法を読んで、先人たちの知恵を自分の仕事に活かしていきたいという願いでやっている。先日…
大学付属美術館主催のレクチャーにでかけた。今日のお題は、Poetics of Sex and the Pornography of the Invisible: American Avant-Garde Film of the 1960s 。3人の前衛映像作家の作品を見た。最初は、Stan BrakhageのWedlock House: An Intercourse (1959…
溝口健二「雨月物語」(1953) を見た。時は戦国時代。二組の兄弟夫婦の運命を描いている。兄のゲンジューローは混乱の世に乗じて、陶器を売って大儲けを企む。弟のトーベーも、やはり戦乱の機を活かして、侍になることを夢見る。二人が家を空けて町に出かけて…
夜、図書館でゴダールの名作「勝手にしやがれ」(1960) を見た。英語タイトルは Breathlessという。仏語では À bout de souffle。意味は知らない。自動車泥棒の常習犯ミシェルが警官を殺して、アメリカ人留学生パトリシアに恋をして、最後は警官に打たれて死…
コンピューター、ネットの時代だからこそ、こういう古典は価値を持つ。「思考の整理学」は英文学者の外山滋比古が1986年に書いた研究のノウハウ書だ。外山個人の経験から導かれた思考法、発想法を分かりやすく解説している。研究者でなくても十分読めるし、…
アメリカ1950年代前半に吹き荒れたマッカーシー旋風に敢然と立ち向かったテレビキャスター、エドワード・マロー Edward R. Murrowを主人公にした映画Good Night, and Good Luckを見た。タイトルは、マローが番組(See it Now)の終わりに必ず言う決まり文句…
ヴィム・ヴェンダースの1977年の作品 The American Friendは、サスペンス映画としても充分楽しめるが、戦後ドイツの一つの文化的苦悩をも表象してもいるのでそういう観点から見ても面白い作品だ。ハンブルグに住む額縁師ヨナサンは余命いくばくもないことを…
在米日本領事館から、ハロウィーンの注意についてメールが来た。ぼく自身はそういう歳ではないのでハロウィーンの思い出はないが、子どもたちが仮装をして家々を渡り歩く光景はしっかり記憶に残っている。でもたしかに危険ではあるので、親としては心配する…
ヴィム・ヴェンダースの映画だと思って借りたのだけど、これはMichaelangleo Antoniniが監督した作品で、co-directorとクレジットされているヴェンダースが何をやったのか分からなかった。作風としては全然ウェンダース風ではない。四編の愛についての物語か…
3時頃には目的の町に着き、ぼくにしては珍しく迷うことなく予約したモーテルに入った。一休みしてから辺りを走り回り地理感覚をつかんだ。とりあえず確認しておきたいのは、面会の約束をしている人のオフィスの位置、東西と南北のメインストリートを一本ずつ…
邦題は「ゴールキーパーの不安」となっているが、英語タイトルは少し長くて「ペナルティキックにおけるゴールキーパーの不安」という("goalie"= ゴールキーパー)。ヴィム・ウェンダース監督が1971年に監督したこの作品は、タイトルから察せられるとおりサ…
明日からワールドカップ準決勝だ。応援していたメキシコはいつの間にか消え去ったので、今の気分としては、ドイツに優勝してもらいたいという気持ちが半分と、フランスのジダンを一試合でも多く見たいという気持ちが半分だ。もっとも、三位決定戦をやるので…
三重か和歌山あたりの漁港にやってきた旅回りの 歌舞伎一座の親方、駒十郎。この町には別れた女とその女との間にできた息子が暮らしている。興行の名目でじつは12年ぶりにこの女と息子に会いに来た。息子には自分のことを父親だとは言わずに、叔父ということ…
Wendersの "The End of Violence"を見たけど、何なんだろう、よく分からない。ハリウッドのヴァイオレンス映画プロデューサーが誘拐されて、命は助かったが世間では死んだことになっている。メキシカンの家族に助けられて、そこにしばらく身を潜める。一方、…
こういうタイトルの映画を借りて見た。1960年の作品。のちにミュージカルになったそうだ。全然有名じゃないと思うけど、どうなんだろう。ケースに大きな文字でジャック・ニコルソンとあるので、主役かと思いきや、そうではなかった。ちょい役でどこかで出て…
子どもを訪ねて東京に遊びに来た老夫婦が粗末に扱われ宿無しになる。小津安二郎の名作「東京物語」(1953)は一見そういう哀しい映画に見える。尾道に住む平山という老夫婦(夫は笠智衆)が、東京に住む子どもたちを訪ねるところからこの映画は始まる。時は1…
これはエリア・カザン Elia Kazan の1945年制作の映画。英語の原題は A Tree Grows in Brooklyn。大学の図書館で上映会があったので見に行った。カザンはかなり有名な映画監督で、「欲望という名の電車 A Streetcar Named Desire」「波止場 On the Waterfron…
小津安二郎1959年の松竹映画「お早う」は、テレビと洗濯機をめぐる人間模様を描いた秀作だ。笠智衆が父親演じる家庭では、二人の子どもがテレビを買ってほしいと口やかましい。勉強すると言ってはテレビを持っている友だちの家へ遊びに行く毎日だ。一方、町…
"An Inconvenient Truth"(「不都合な真実」?)を見た。アル・ゴア主演の地球温暖化警告ティーチ・イン映画だ。中学、高校の授業でそのまま使えそうな感じのまじめな映画だった。この人は副大統領のときはIT推進の旗を振って、今は環境問題ということらしい…
Salt of the Earth (1954)は、労働争議を描いたドキュメンタリー映画だ。ニュー・メキシコ州の炭坑で、メキシコ移民の労働者たちがストを起こした。目的は白人労働者と同等の扱いを求めるとうものだ。最後は経営者側が譲歩するのだが、この映画の面白いのと…
タイトルが曖昧でなんのヴェデオか分からないけど、これはニューポート・フォーク・フェスティバルのドキュメンタリー・フィルム。1963年から66年の4回分の映像を編集している。年代順の編集ではなく、ひとつのストーリーのような感じに見えるように編集して…
溝口健二の1953年大映作品。原作は森鴎外。時代は平安末期、上司に楯突いたのを理由に越後から筑紫へ左遷されることになった役人が、家族と離れることを決心した。妻と二人の子ども(厨子王と安寿)はお手伝いを連れて旅に出る。途中で親切を装った悪人にだ…
英語タイトルは"Eyes without a Face"で、ジョルジュ・フランジュの1960年の作品。ホラー映画だけど、あんまり怖くない。ストーリーはとても面白いんだけど。整形外科医の娘が交通事故で顔にひどい損傷を負った。父は娘を自宅にマスクを付けさせ監禁する。警…
「グリニッジ・ヴィレッジの青春」と訳されている1976年のアメリカ映画。Paul Mazursky監督。時は1953年、ニューヨークのブルックリンに住むユダヤ人家族の22歳の一人息子ラリーが、スーパー・ヒステリックな母が号泣する中、一人暮らしを始めるために家を出…
これはUnitedの機内で見たのだが、ちょうどぼくがこれを地上10000メートルの上空で見ている頃、監督であるロバート・アルトマンRobert Altmanが亡くなった。 "MASH"や"Nashville"という大傑作映画を作った監督だった。2006年の夏に公開されたこの"A Prairie …