"The End of Violence"

Wendersの "The End of Violence"を見たけど、何なんだろう、よく分からない。ハリウッドのヴァイオレンス映画プロデューサーが誘拐されて、命は助かったが世間では死んだことになっている。メキシカンの家族に助けられて、そこにしばらく身を潜める。一方、無数の衛星カメラでLAの街を監視(というか覗き見)している元NASA職員の男がいる。州か連邦政府当局の依頼で犯罪捜査に使おうとしているらしい。プロデューサー誘拐のこともモニターで見た。プロデューサーの妻は夫が死んだと信じて、財産のことなどもあり内心喜んでいる。

ハリウッド業界の金満/ハイテク・コミュニティからメキシカンたちの素朴/ローテク生活へ身を移したこのプロデューサー(ハリウッドの冷徹な人間模様、テクノロジー崇拝みたいなものが、メキシカンたちとの対比で暗示される)。暴力映画という架空を創造する人が現実の暴力に巻き込まれるという設定。街中をカメラで監視するという発想。劇中劇として映画撮影のシーンが何回か。どれも陳腐でこれこそまさにハリウッドだ、暴力シーンもセックスシーンもないことを除けば。


初出エキサイト 7/19/2006 W http://takebay1.exblog.jp/3974263/