"Beyond the Clouds"

ヴィム・ヴェンダースの映画だと思って借りたのだけど、これはMichaelangleo Antoniniが監督した作品で、co-directorとクレジットされているヴェンダースが何をやったのか分からなかった。作風としては全然ウェンダース風ではない。四編の愛についての物語からなるオムニバス形式で、邦題は「愛のめぐりあい」というらしい。どの話も男と女が愛について分かったようなことを言いあって、あれこれうんちくを垂れまくるけど、結局はどの話も結末はみじめ。撮り方も建造物の遠近感を強調した構図が多くて辟易した。アメリカのハリウッド映画のお気楽さがときどきいやに思えるけど、こういう芸術ぷんぷんの映画も見ていて疲れる。何をどう書いていいか浮かんでこない。ソフィー・マルソーの顔は撮る位置によっては中島みゆきに見えるなあとか、どうでもいいことに気を取られて、作品に集中できなかった。良かったところはVan Morrisonの音楽。既存の曲を使っていたけど、ヴォーカルを抜いてこの映画用に録音したんだと思う。


初出エキサイト 6/2/2006 F http://takebay1.exblog.jp/3685118/