WBC: 大げさに考えなさんな

USA vs Japan (4-9)

最初は数日前のLos Angeles Timesの記事。ベスト4の対決の場となるLAの新聞に載った記事。こういう局所地域的話題を自前で用意するとはほんと感心する。もっとも、LAには多数の韓国人、韓国系アメリカ人、それから数はずっと少ないが、日本人、日系アメリカ人も住んでいるという事情もあるが。

次はESPNから。WBCの改革案について。だれしもが、今回のような開催方法がよいとは思っていない。問題点はいくつかあるが、アメリカ側の注目度の低さに関してだけ言うと、3月開催という時期がよくない。チーム編成から言うと、ほんとうのベストチームを組めない。選手側には、シーズン前のでき上がってない状態で試合をして怪我をしたくないという消極的ではあるが合理的な理由があるし、球団側もトップクラスの選手をむだむだ怪我で失いたくないという、これまた合理的な理由が成り立つ。さらに、世間の注目という点では、いまの3月の時期、アメリカ人が夢中になっているのは、大学バスケットの全国トーナメント戦だ。たとえ本当のオールスターチームでWBCをやっても、大学バスケットには勝てない。

だから、今日のアメリカチームは、ベストチームとはほど遠い編成だった。野手で、真に代表レベルだと言えるのは3人くらい。投手では先発のオズワルドはトップレベルの実力をもつが、あとに出てきたピッチャーは初めて聞く名前ばかり。今回の日本はほぼベストのチーム編成で臨めたが、アメリカやベネズエラなどは、メジャーリーグチームの縛りや、契約チームへの貢献を最優先したいと考える選手も多数いる(それだけ競争が厳しい)ので、愛国心という名においてなら何を犠牲にしてでも馳せ参じるのが当たり前だと思われているようなふしのある日本とは事情が違う。アメリカのメンバー表を見て、イチローはじめメジャーに所属する日本選手たちは、あるいみ試合前から白けていただろうし、決して口外はしないものの、こんなメンバーなら勝って当たり前とも思っていただろう。そしてそのとおりの結果になった。それ以上の意味や価値を引き出すのは飛躍が過ぎる。そういう戦いだった。