iWorkのPageは予想以上に快適だ

Macを使っている人の中には、WordをやめてPageに移ろうかどうか考えている人が多いと思う。Pageのほうがずっと安いし、機能がシンプルなので良さそうだけど、互換性と操作性を考えると、移行に慎重になっている人も多くいると思う。これまでの習慣を捨ててまで乗り換える価値があるかどうかで迷っている人たちのために参考になるかもしれないので、Pageを一か月使ってみたレポートを書いてみようと思う。ぼくは日本語と英語で文章(文字だけ。数式・グラフはなし)を書いて、簡単なデザイン(2、3種類のフォントの使い分けたり、イタリックやボールドを使用、行間調整、インデント、右よせ等、脚注をつける、そんなところ。)をほどこすだけの利用者で、複雑な機能は必要としないので、その範囲でレポートする。結論を言うと、ぼくのような基本的な機能だけを使う人には、買い替えを検討する価値はある。

フルスクリーン機能。これはクリック一つでスクリーン全体を黒にして、使用中のPageファイルだけが見えるようにする機能。デスクトップフォルダーや他のアプリケーションウィンドウが見えなくなるので、気が散るのを防ぐ効果がある。思考とタイピングが作業のほとんどのぼくにとっては、この機能は集中力を増すのに役立つ。
日本語の禁則処理がばっちり。日本語を書くときのルールとして、行頭に句読点や記号ものを持ってこないというのがある。Pageはデフォルトで禁則処理をやってくれる。Wordで嫌だったことの一つが、日本語の禁則処理ができないことだった。どこかの設定を変えればできるのだとは思うが、どこにそれがあるのか分からずじまいだった。禁則処理という基本的なことをデフォルト設定処理してくれるPageはすばらしい。
EndNoteと連携は問題ない。WordでできるEndNoteとの連携は、 Pageにおいても継承されている。ただし操作手順は違う。手順の違いについてはなれの問題で優劣はなさそう。
ペラのデザインものを作るには、Pageの方が優れている。用意されているテンプレートを元にあちこちいじっているうちに、画像の配置方法やテキストボックスの操作方法などが分かってしまった。
書いた語数を左下に表示する機能はありがたい。語数を目安にして書くことはけっこう多いものだ。こういうことまで気配りするとは、Pageは侮れない製品だと思った。Wordでも語数確認はできるが、メニューからプルダウンして確認しなきゃいけない手間がかかる。
注意しなければいけないのは英文自動スペル修正。珍しい固有名詞を打つと、より一般的な固有名詞へ勝手に修正されてしまう。Pageのスペルチェッカーはちょっと語彙を知らなさすぎる。固有名詞でなくても、"ain't"が"Anita"に変換されるのは困る。だから、使用頻度の少ないと思われる単語をタイプするときは、画面を良く見ていないと、とんでもない単語に自動変換されてしまう危険がある。対処としては、あらかじめスペリング・ウィンドウを開いておいて、Pageの辞書に学習させればよい。英語スペル自動修正機能は全体としてWordのほうがかなり優れている。

この自動スペル機能以外で困っていることは今のところない。iWorkの3つのアプリケーションのうち、残りのKeynoteとNumberはまだ使っていないが、3つで10000円以下ということを考えれば、買い替える価値は大いにある。たとえPageだけでも、使ってみる価値はあると思う。