アメリカの地方新聞を読もう

ネットでアメリカの新聞が読める便利な時代。メール配信してくれる新聞もあり、しかも無料。使わない手はないということで、仕事や英語の勉強の目的で、ニュー・ヨーク・タイムズやウォール・ストリート・ジャーナルでニュースをチェックしている人も多いと思う。私も、NYT, WSJなどの主要紙は毎日メール配信してもらっており、電車の中などで、政治から芸能までチェックしており、情報源としてたいへん重宝している。

さて、今日書きたいのは、そういった主要紙はもちろんだが、地方紙を読むのもとても面白いということだ。地方紙とは、だいたい半径2時間(車で)以内の人口を対象にした新聞で、購読者はその地域に住む人々にほぼ限定される。NYTなども一応は地方紙なのだが(広告を見るとニューヨークの店などが出稿していることからわかる)、そのステイタスと信頼性から、全国に購読者を持っている。地方の人が読むのは、ふつうは地方紙一紙で、ごく少数の人(大学の先生とか、例えば)が他のNYTなども購読する。

その地方の読者を対象にするのだから、記事の優先度は、全国的なニュースより(今なら、共和党予備選のようなニュースより)、その地方に関係するニュースのほうが高い。私もアメリカに住んでいたときは、地方紙を購読していた。見出しをさっと眺めるだけでも、町で何が起きているかよくわかり、道路閉鎖などの情報も得られるので、貴重な重宝源だった。

今年の初め、地方紙を一つメール配信してもらおうと思い、どこか地方の町の新聞を探してみた。自分の住んでいた町でも良かったが、全然知らない町にしたかったので、グーグルで適当にアメリカ地図をさまよい、なんの理由も根拠もなく、アラバマ州のモントゴメリーを選び、次に検索でmontgomery newspaperで検索にかけて、新聞社のサイトに飛んで、メール配信の手続きをした。その日以降、モントゴメリーの新聞の主要見出しが毎日メールで届き、興味のある記事へはリンクで行くことができる。

モントゴメリーは州第二の町で、本当はもっと小さな町が希望だったが、あまり新聞社の規模が小さすぎると、メール配信のサービスがないようなので(ざっといくつかの町について調べた限りにおける印象)、モントゴメリーに行き着いた。

モントゴメリー紙の過去二週間のトップ記事の見出しを拾っていくと、、、「州職員による尋常ならざる回数の駐車違反」「地元空軍基地の民間人雇用の削減」「古くなった市役所の保存」「地元大学の本拠地となるフットボール競技場の建設の遅延」「市の中心でガス漏れ事故があったが事なきを得る」「高校新設」「裁判所建設用地購入」「台風で被害を受けた教会の改築終了」「警察犬の引退記念行事」「高速道路建設の工程」「幼稚園の教育改革」。

この期間、国レベルでは、共和党の予備選が始まり、オバマ大統領が一般教書演説を行った。当然NYTなどはそういう話題をトップにもってきたが、地方紙では上のような地元密着の話題が優先され、共和党や大統領演説は2面、3面扱いになる。

地方紙を読んでいて楽しいのは、アメリカの人たちの生活が垣間見られるような感覚になれることだ。この感覚はNYTやWSJでは味わえない。

英語もNYTなどより平易だ。Time, Newsweekよりもずっと平易だ。だから、英語の教材としても、レベルによっては、より相応しいといえる。

さて、新聞の探し方だが、全米の新聞社リストのようなものがあれば、そこから適当にクリックしてみてもいいし、グーグルマップでぶらぶら飛行して、適当な町を見つけたら、私がやったように「町の名前、newspaper」で検索する。たぶん、トップに新聞社のサイトが来る。そのサイトに行ったら、email alerts, email subscriptionのような語を探す。あとは、自分のアドレスを入力するだけで準備完了。小さすぎる町の新聞は、無料配信のサービスがない場合が多いようなので、州でトップ3に入るような規模の町を目安に選ぶとよいだろう。