Nike Free

半年ぐらい前だったと思うが、ランニング用にNike Free というシューズを買った。この商品は、「裸足で走ることによって、足は自然と強化される」というコンセプトで、靴底がとても柔らかく作られている。通常のランニングシューズは、かかとの部分を厚くして衝撃を吸収するように作られているが、ナイキフリーは何しろ裸足感覚なので、かかとに衝撃吸収素材は入っていない。だから、走ると衝撃がひざとかかとに伝わる。それだからこそ足が強化されるというわけだが、通常のランニングシューズの方が走りやすかったし、土踏まずの部分と指の部分に圧迫感があるので、せっかく買ったもののあまり使わなかった。

せっかく買ったのにほとんど履かないのはもったいないので、この週末、走るためではなく普段履きとして履いてみることにした。履き心地は上に書いたように圧迫感があるので履いた直後は違和感があったが、しばらく歩いているうちに、とても歩きやすいということが分かった。カーペット、芝生、コンクリート、土、いろいろな所を歩いたが、靴底が柔らかいのため、足裏をしっかり伸ばして歩ける。そのせいか、余分な力を入れないで体全体をバランスよく使って歩けている感じで、すっかり気に入った。この感覚は、ビルケンシュトックの靴で歩くときのそれと近く、かかとが低いので、体が前のめりにならない。そのことが背筋を幾分真っすぐにしてくれる。さらに、足の裏の自由度が大きいことで、微妙なバランスを足裏で調整できるのだろう。

12時間以上、二日連続で履いてみて、履き心地がすっかり気に入ったし、体に馴染んだ。ランニング用として買ったものが、普段履きとして意外にも効能を発揮した。しばらくはこれを履き続けることになるだろう。歩くのも走るのも、体のメカニックは共通しているので、これで歩くのに十分慣れた頃に走ってみると、ナイキの宣伝文句のとおり足の強化に役立つかもしれない。