そうムキになりなさんな

PBSのチャンネルを付けたまま別の部屋で片づけをしていたら、ずいぶんとテレビがやかましい。普段は上品な番組を流すPBSなのに、スタジオにいる人たちががなり合っているみたいだ。何をそんなに興奮しているのかとテレビを見ると、ははあ、やっぱりこれか、オバマクリントン論争だった。5人のコメンテイターが両候補のどちらを支持するかで、議論が超白熱している。司会者はいるが、全然機能していない。一人が、liberal's guiltyがオバマを支持する基盤になっているなんて言ったものだから、他のコメンテイターからこてんぱんにやられてしまった。日本で昔あった「朝まで生テレビ」のような感じだった。こういう言葉の殴り合いのような議論の仕方を、ただその喧しさをもって幼稚だと批判する人はいるが、こういう議論のやり方こそ意外と益するところは大きい。まず、喋らないと負けてしまうので、自分の主張をどんどん発展させていかざるを得ない。そうなると、うわべを取り繕っただけの表面的な意見は、それ以上喋る内容が伴わないか、無理して喋ってもボロが出て論駁されるので淘汰される。次に、回りくどい言い方をしていたら場のテンポについていけないので、直接的な物言いをするため、話の展開が速くなる。これは人数が多過ぎてはさすがにコントロールができなくなる。5人を一つの上限と見なすべきだろう。それから、自分の意見を批判されたことを根に持って、次の日からその相手に挨拶もしなくなるような偏狭な人は参加してはいけない。いつもいつもそういう喧嘩型の議論をしなければいけないわけではもちろんなくて、相手の発言にはけっして絡まず、異議を唱えず、ただ時間だけをやり過ごすために行われる会議というのもあるわけで、相手、状況を総合的に鑑みて、おとなしくしているか攻撃を仕掛けるかを見極めるわけではあるが、いよいよ明日はオハイオ、テキサスの予備選挙