おいしいコーヒー

昨年秋にポルトガルで買ったコーヒー豆がついになくなった。最後の一杯を飲んでいる。アメリカのコーヒーと比べて格段においしい。特別高級な豆を買ったのではない。スーパーで売られていた普通の豆で、価格もずっと安かった。スターバックスのような全国ブランドからローカルブランドまでアメリカの豆はおしなべて古いような気がする。ぼくは自分で挽いて飲むけど、新鮮な豆はお湯を注ぐと膨らんで泡立つが、アメリカ製の豆はその泡立ち方が弱い。だからなのか、アメリカの豆は深煎りしすぎだ。ひどいコーヒーだと焦げ臭い味がする。おいしいおいしくないでもう一つ言うと、フェア・トレードのコーヒーはまずい。このまずさは豆が古い新しいではなく、豆そのものの質に起因しているとぼくは思っている。土地が悪いか、栽培技術に改善の余地があるのかそういうところだろう。フェア・トレードのコーヒーは、味だけでなく経済学的にもまずいという意見もある。とあれ、この5か月はポルトガルスタイルの小さなカップでおいしいコーヒーを飲めたのでよかった。