高校野球1

夏の甲子園が始まった。その前は地方大会もちょくちょく見ていたので、甲子園レベルのチームと、県大会の1,2回戦レベルのチームとでは何が違うかというと、ひと言で言えば、体つきが違う。強いチームは試合を始める前から、体格で相手チームを圧倒している。打つときは、タイミングを外されて腰砕けになっても、金属バットの恩恵もあり、当たりさえすれば、腕力で外野までボールが飛んでいってしまう。投手でも、ど真ん中のストライクを投げても、球威でもってポップフライに打ち取れたり、制球が悪くストライクが入らなくても、球の速さでバットを振らせて三振の山を築けてしまうのが高校野球である。体格に恵まれなくても、努力次第で成功できるというのは、毒にも薬にもならない正論で、技術的に未熟な高校生たちにとっては、体格というのは決定的な要因であるはずだ。だから、ぼくは甲子園にやって来るチームを見るときも、まず体格を見て強そうだ、それほどでもなさそうだという見切りをつける。それでも、体格差を凌駕するすごい技術をもった投手が強打線を翻弄したり、140キロ台のプロ注目投手にたいして、選球眼と鋭いバットスイングで連打をくらわせて打つ崩すというシーンがときどきあるから、面白い。しばらくは高校野球で息抜きができる。