ガイジン酔い

メダルメダルとよだれを垂らさんばかりにおねだり声がうっとうしい季節がやって来た。とは言っても、スポーツそのものは面白い。伝え方が暑苦しいだけだ。メダル圏内にある選手が、オリンピックで惨敗すると、大舞台に弱いとか、プレッシャーに潰されたと嫌みを言うのがテレビや新聞の仕事になっているが、それでもオリンピックは特別な大会だと思う。多種多様の競技がこれだけ一度に集まる大会は他にない。選手村では、どの国からきたのか、何の競技なのか知らない世界中の選手たちが集まっている。そういう場所で食事やトレーニングをするわけで、いくら国際大会で場数を踏んだ選手たちとはいえ、どこの誰か分からない(自分の競技だけの大会なら、だいたい顔と名前が一致するだろう)、しかも日本人から見れば大柄な外国人たちに囲まれて、三日四日と生活していると、外人酔いが始まる。挨拶一つをするにもどぎまぎしなければいけない選手が大半だろう。また、他人と視線を合わせることを避ける心性から、いつもうつむき加減でいなければいけなくなる、これで並の選手は気分がぽわーんとなって平常心を失ってしまう。欧米の選手だと、食事が終わっても、隣のテーブルの選手と話を始めたりしてリラックスできるが、日本人は自分の部屋へ直行だろう。そうしてストレスをため込んでいく。今日から、女子サッカーの予選が始まった。日本チームは本当にメダルが狙える実力をもっているので、男子よりはずっと楽しみにしているのだが、今日は格下ニュージーランドに引き分け。なかなか楽には勝てない。