オリンピックここまで

日ごろ見ない競技をみる貴重な機会なので初めて知ったということを幾つかと、思わず吹き出したアナウンサーのお説教、そしてやっぱりこうなったかというサッカーについて。

重量挙げ。一番重いバーベルをあげた人が勝ちという単純なルールかと思っていたが、ぜんぜん違う。他の選手の結果等を見て、自分で上げる重さを申告する。選手間で駆け引きと決断が繰り広げられる。

ホッケー。自分でやったことはないが、以前よくランニングに使っていた陸上トラックで大学女子のホッケー部が練習していたので、どういう競技かは知っている。どのスポーツも身体的危険はつきまとうが、ホッケーは中でも特に危険なスポーツだと思う。あのボール(と言う呼び方ではないとおもうが)は、ものすごく固くて重い(野球の硬球よりはるかに重い)。それでも女子でも150キロ以上はでるらしい。選手が身に付ける防御具はマウスピースとすね当てだけ。ボールを高く飛ばすのは反則らしいが、打ち損ねか何かでボールが浮き上がってしまうこともあるだろう。もし頭部にでも当たったら、たいへんなことになる。ゴール前の、サッカーで言えばフリーキックの場面では顔に防具を付けるが、胸や膝に直接当たったら骨折するだろう。だから、そういう危険なボールを打った選手は則退場にでもなるのだろうか。とにかくホッケーは見ていて身の毛がよだつ。

バドミントン。選手がシャトルの交換を要求するときは、審判の判断を仰がなければいけないというのは面白い。審判が羽根の状態を確認して、選手からの要求を認めたり認めなかったりしている。

柔道で北朝鮮の選手がメダルを受賞したのを受けて、NHKのアナウンサーが曰く、北朝鮮は国際試合の経験皆無でありながらこうしてメダルを取るのだから日本も見習わなければいけません、とかなんとか。毎回このやり方でメダルを取っているなら見習ったほうがいいのかも知れないが、36年ぶりのメダルらしいじゃないか。

サッカー男子の敗因は、現場レベルで見れば、直前になってもメンバーを取っ替え引っ替えしすぎたことにある。半年くらい前から、メンバーを8割固定して準備する方が日本人にはうまくいく。サッカーの技術的なことは分からないが、組織作りという点からは、「競争」という建て前のために、選手の尻をひっぱたきすぎるのは良くない。そりゃ、ナイジェリアのフォワードのようなテクニックの持ち主が突然表れたのなら話は別だが、日本は似たり寄ったりの技術の集まりなのだから、技術以外の経験とか、U23チームでの存在感とかをもっと大切にする方がよい。そういう意味では、野球の星野監督が不調の上原、それから戦力としては非レギュラーの宮本をキャプテンとして選んだのは正解だと思う。しかも、星野はそういうことを早々とマスコミに喋る。それも大した配慮だ。