Beer Summit
ハーバード大学のヘンリー・ゲイツ教授が誤認逮捕された件で、その騒動に一枚かんでしまったオバマ大統領が,事態収拾のためにビール会談を設定した。ぼくが興味を持ったのは、この事件そのものよりは、会談に出席した人が何のビールを飲んだかだ。もしかしたら、アメリカにおける人種問題の根深さとか事件の背景にあるものとかそういう硬い話を期待した人がいたらすみません。すこしだけ言えば、この種の事件は日常茶飯事なのである。同様の事件なら地方新聞を探せばいくらでも載っている。今回はたまたま相手が超大物の大学教授だったから大きな扱いのニュースになって,それが日本でも報道されたというわけである。
さて関心のビールであるが、ニューヨークタイムズを見るとやはりあった。記者会見の内容を文字起こししたものを見つけた。出席者は、オバマ、バイデン副大統領、ゲイツ教授、そしてケンブリッジ市の巡査部長クローリーの4人だ。上の記事を読むと、ビールの銘柄に関する部分がある。
オバマが飲んだのはBud Lite。スーパーでよく安売りされているビールだというのがぼくの印象。名前のとおり、アルコール度が低めの庶民向けビール。友人宅や自宅でパーティをするときはだいたいこういう安いビールを用意する。
クローリーはBlue Moonというベルギー産のビールを飲んだ。このビールは、泡がきめ細かくてフルーティーな香りで人気がある。ぼくはBlue Moonを毎日のように飲んでいた時期(勉強のやる気をなくしていた時期)があったので,なつかしいというのが正直な印象。
そしてゲイツ教授が選んだのはRed Stripeというジャマイカン・ビール。これはちょっとぼくの記憶にない。たぶんどこででも手に入るビールだと思うが。
記事にはバイデンの飲んだビールの情報がない。外交上問題のある国のビールでも飲んだとかと思いながら、ほかのソースを探していると、こんなものを見つけた。これにはバイデンの飲んだビールが書かれている。バイデンはBucklerというノンアルコールビールを飲んだらしい。
しかしこの記事ではゲイツ教授のビールが前述の記事とは違うSamuel Adams Lightになっている。Samuel Adamsはボストンの有名なビールだ。同じ国産でもバドワイザーとかよりは値段がやや高め。一度か二度飲んだことはあるが、自分の口には合わなかったのでそれ以降飲んだことはないと思う。
オバマはなぜビールを選んだのだろうか。一般的なイメージでは、ビールは労働者階級の飲み物なので、ゲイツや政府要人ならワイン会のほうがぴったりくる。労働者層へのアピールなのか,オバマ個人の好みだったのか。大学教授が主催するパーティーに行くと、メインはワインというのがお決まりで,ビールも用意してくれているが、輸入ビールに限られる。ぼくの理解では、こういう知識階級はけっして国産ビールは飲まないのだ。だから,ぼくもその階級のはしくれなので,バーでは必ずハイネケンかギネスを注文した。それを考えると、オバマのバド・ライトは意外だった。