ルー・リードのコンサート

1997年ぐらいだったと思うが、埼玉県大宮市にルー・リードのコンサートを見に行った。満員を予想して行ったら意外や意外、がらがら。3分の1ぐらいしかいなかったと思う。開演時間を30分過ぎてもご本人が出てこない。主催者がステージの袖に現れて、客の入りが悪いことにリードが機嫌を損ねて歌いたくないと楽屋でだだをこねてますとの説明。それからしばらくしてコンサートが始まったと思う。がらがらだったから、みんな前の方へ移動できた。主催者がそうするようにお願いしたんだと思う。私は確か上手側のそこそこ前の方の席だったが、さらに前に行ったような気がする。だれかと一緒に行ったのか、一人だったのか、多分平日だったような記憶があるので、きっと一人で行ったのだろう。こうやって書いていくと記憶が少しずつ甦ってくる。そうだ確かに平日だった。そして秋か冬だった。チケットが売れなかったのは、それが平日だったことと、東京都内でもコンサートが予定されていたので、それが大宮に影響を与えたのだろう。

Walk on the Wild Sideを始めとする代表曲の多くは歌ったような記憶がある。演奏時間が1時間くらいしかなかったような気がするが、それなりに満足したような、しなかったような。そういう主観的なことは覚えていない。1つだけはっきり覚えているのは、曲間にリードがIt is a small audiecne, but good audienceと機嫌を取り直したようなコメントを発したこと。

ルー・リードの偉大さについては、専門家がこれまでにも、そしていまごろいろいろ書いているし、私も持論みたいなものはない。ほとんどの人と同じで、リードが同性愛者や薬中のことを歌にすると、なぜかかっこよく思えてしまうスリル感は、何百回聞いても変わらない。とはいっても理想視したわけでは決してない。自分の知り合いには薬漬けで人格崩壊した人や同性愛者が少数ながらいたので、薬中の奴からはすこし迷惑を被ったりしたりして、大変な人生だよなと彼ら彼女らを遠巻きに見ていた。

ただのファンでしかないけど、なんか寂しいよ。朝の電車でルー・リードが死んだことを知って、FBやTWで多くのRIPを見た。今日のやるべき仕事をやってるときは、こんなこと書くつもりはなかった。帰宅して風呂に入っているとき、大宮のコンサートのことを思い出した。RIP。