どんな気持ちがするの?

桑田真澄は足首の手術をするらしい。来季も野球をやりたいらしい。足首の手術だから、当分は走れない。ということはピッチングもできない。走って投げるという普通の練習ができるように何か月かかるのかしらないが、その間筋力が一気に落ちる。マシンを使って筋力トレーニングはするだろうが、足首のリハビリとともに、筋力を回復するのはしんどい。詳しくは知らないけど、歳をとると筋力が衰えるのが早くなって、落ちた筋肉を付けるのも時間がかかるんでしょ?

本人の語るには、試合復帰まで5、6か月かかるらしいが、試合に出るには契約を取らないといけない。当てがあるわけではないだろう。桑田のマーケティング効果を期待して契約する球団もあるかどうか? マイナーレベルだとマーケティング効果も程度が知れているので、メジャーレベルの実力も怪しい選手と契約をするとは思えない。現実的には、来季も招待選手扱いでどこかの球団のキャンプに参加しなければいけないだろう。

手術するのはいいだろう。それからリハビリに耐えるのもいいだろう。でもリハビリの期間というのは暇なのだ。その暇が怖くないのだろうか? リハビリといっても、一日中やるわけではない。それ以外の時間をどうやって過ごすのか? いろいろ考えるだろう。その時間が怖くないのだろうか。しかも一人だろう。日本でリハビリするかも知れないけど。マスコミの人が何人か付いているだろうが、そういう人たち相手じゃ、気分転換もそこそこだろう。契約してくれる球団が見つかるのは、年が明けてからだろう。決まらないかもしれない。だからいろいろ考えると思う。投手としての自分の技術的なことから、リハビリの経過や、契約を含めた自分の状況、引退しようか続けようか。

桑田は以前にも肘を手術して1年間全く試合に出れなかったことがある。ただあのときは、復帰後の居場所があった。でも今回はない、いまのところはない。手術してリハビリしても、どこも契約してくれなかったということは起こり得る。あるいは、すでに当てを見つけているのかもしれないが。いや、まさか。

手術自体はどうということはないだろう。それから、リハビリはきついだろうけど、リハビリをやっている時間は余計なことを考えなくてすむから、その意味では楽だろう。でも本当にたいへんなのは、野球選手としての動きができるようになるまでの期間、当てのない状況で持て余された時間をどう耐えるのか? 怖くないの?

引退したら本当に楽なのに。解説者の仕事や、本の執筆依頼、いろいろ周りが声をかけてきてくれて忙しくなるので、あれこれ考えなくて済む。桑田は野球馬鹿ではないので、野球以外のことでも周りとうまくやっていけるだろうし、ぼくはてっきり引退するものだと思っていた。まだやりたいの? それはどんな気持ちなの?