オランダ語がない!

エキサイトのブログで、リスボンの写真日記をぼちぼち始めた。リスボンからはアムステルダム経由で帰ってきたが、アムステルダム空港はまるでショッピングモールみたいだった。最近できたらしく、ピカピカで、とにかく店の数が多くて、一店一店の床面積も広い。

それと驚いたのは、全部英語だということ。全部というのは厳密には正確ではないが、オランダ語が使われているのは、緊急医療室やパスポート・コントロールなどの肝要な部分だけ。自分ところの言葉を捨てて英語を使うことに、国内で異論はないのだろうか? 自国の言語を大切にしようとか、オランダの空港なのだからオランダ語を使うのが当たり前だとか、そういうことを言う人はいないのだろうか?それとも、オランダ人は全員、これくらいの英語は理解できるという自信なのか? 

もっとも、ぼくが利用したのは国際線のゲートなので、国内線専用ゲートではオランダ語なのかもしれない。ここの国際線ゲートはBからGに分かれていて、たぶんAが国内線ゲートなのだろう。そうだとしても、国際線ゲートで英語だけを使うというのは、なかなかできることではないと思う。ねえフランス? シャルル・ド・ゴール空港はどうなの? 

利用する立場からすれば、見慣れないオランダ語を見ながら、その下にある英語表記をたよりに自分の飛行機の出発ゲートまで行くというのは、いかにもオランダにいるという気分が味わえて悪いことではないのだが、効率だけを考えれば意味不明なオランダ語はないほうが見た目がすっきりしていい。アメリカ人でも、アラブ人でも同じことを思うだろう。

おそらく、オランダでは、自国語と国民アイデンティティとが切り離されている。言語はコミュニケーション手段以外の何ものでもないという理解があるのでなないか。もっと言えば、日本人が考えるような国民アイデンティティというものすら、大した意味を持たないのかも知れない。ヨーロッパの小国というのもあるだろうし、過去の歴史において他国に征服されてきたという事情もあるだろう。そういうふうに大きく考えなくても、もっと単純に、国際線利用者は圧倒的に外国人が多いので利便性を考えて英語だけにしているのかもしれない。それとも、ぼくがものを知らないだけで、ヨーロッパではこれが標準なのかもしれない(でもリスボン空港ではSaidaとかcasa de banhoだった。それに、事実は知らないが、ド・ゴール空港がフランス語を使わないとは思えない。)。いずれにしても、オランダ語を外すというのは、ぼくにとってはやっぱり考えさせるものがある。

出発前に、ラーメン屋を見つけて思わず入ったけど、やっぱりスープが甘くて、ぬるい。こればかりは、日本の外ではどうにもならないようだ。でも、麺はまともだったので、よし。