25年前にMacintoshが発売された
1984年のマッキントッシュ発売時のジョブズのプレゼンテーション。その年のスーパーボウルで放映された有名なコマーシャルも見ることができる。オーウェルのディストピア小説「1984」を上手に使っている点といい、語り継がれるだけの理由をもつCMだ。ジョブズのプレゼンテーションは、どことなくその約20年前のSDSのリーダーの政治的演説を彷彿させる。ジョブズの風貌も、IQの高いインテリ青年という感じで、 打倒IBMを前面に出して語りかける様子は、まさしく反権力。パーソナル・コンピューターという存在がまさにそういうものだった。このプレゼンテーションでジョブズが「IBM」を連発する姿を見て思い出したのは、Alan Deutschmanの書いたジョブズの伝記本The Second Coming of Steve Jobs(邦訳「スティーブ・ジョブズの再臨」)の一節で、ジョブズはフラワーチルドレン世代に憧れていたが、その世代に属するには生まれるのが遅かったという部分だ。でも彼は彼なりの方法で、既成権力に反旗を翻した。しかも、それは、彼の先輩であるフラワーチルドレン世代が、目立つことは目立ったが、結局たいしたことは何一つできなかったのに比べて、ジョブズ(その他大勢の)のパーソナル・コンピューター革命は、確実に社会のあり方を変えた。最後にもう一言だけ。Irene Caraの"What a Feeling"が流れる中で、顔をくしゃくしゃにして笑うジョブズはかわいい。(下のリンクは、翻訳版と原版)